陥入爪・巻き爪の治療
当院では、軽症な例に対しては、爪と皮膚の接触を避け、疼痛を一時的に緩和する治療として、
- 爪切り
- テーピング法
- コットンパッキング法
をまずは行い、重症な例については、手術による部分抜爪の手術(フェノール法など)を、保険診療として行なっています。
爪切り等による上記メンテナンスで、巻き爪の陥入が抑制しきれない場合は、手術となるケースが多いですが、自費診療による爪の矯正という選択肢もあります。
巻き爪の矯正治療はいくつかありますが、当院では患者さん自ら簡単なトレーニングをすれば、ご自身で着脱できる「ネイル・エイド」を選択しました。
「ネイル・エイド」は医局の先輩、埼玉医科大学病院 形成外科・美容外科所属 簗由一郎先生が開発した信頼性の高い矯正具です。
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この器具は爪の先端に装着する矯正具であるため、装着を意識した爪切りをしないと、うまく爪に装着できません。「ネイル・エイド」の引っ掛け代(しろ)を残しつつ、爪を切り揃える必要があります。装着あたっては、このような爪の前処置と器具のサイズ選択、装着方法の指導等、自費診療にてご案内させていただきます。
なお、サイズは3種類(14mm,16mm,18mm)ありますが、母趾以外の趾への装着は基本対応していません。
しかしながら、誰でも、どんな巻き爪にも有効かというと、ある程度適応は見極める必要があります。極度に厚い爪は装着困難ですし、硬い爪は装着しても爪が割れてしまうことがあります。また、「ネイル・エイド」は着脱可能なのが良い点ですが、活動性が高い方は、テープ、ジェルネイル及び指サック等を利用し、動きによって外れないよう固定をします。
器具は外れても繰り返し使えますが、紛失、変形、破損した時は買い替えが必要です。
ご購入希望の場合は、当院受付にお声がけください。
物販にて対応させていただきます。
※炎症が強い場合や、爪が短く切られすぎて、器具の装着しろがないために「ネイルエイド」が装着できない場合もあります。
そのような場合は、保険診療でまずは対応し、爪周囲の環境を整えてから、「ネイルエイド」の装着を検討します。炎症の制御が困難な場合は、部分抜爪などの外科的な処置をおすすめします。
さらに矯正効果を高めたい場合は
「リネイルゲル®︎10%」という薬剤を追加し、爪を軟化させることで、矯正効果を高めることができます。「ネイル・エイド」等の爪矯正具の装着を前提とした追加薬剤です。
一時的に爪をやわらかくする専用の薬剤を爪矯正具と併用して、治療期間を短縮し、さらに、再発しにくくする治療法です。
有効成分のアセチルシステインが、爪を一時的に軟らかくすることで、爪矯正具の治療効果を高めます。軟らかくなった爪は数日かけて再び硬化します。爪矯正具の働きにより、平たんになったまま爪が再硬化するため、再び巻きにくい爪になることが期待できます。
リネイルゲル®︎10%を併用した爪矯正治療の流れ
1
爪切り
矯正具が装着できるように、引っ掛けしろを残しながら、爪を切除し整えます。
2
爪矯正具の装着
爪の大きさに合ったサイズの「ネイル・エイド」を選択し、爪に取り付けます。
3
爪周囲の皮膚を保護
皮膚に対しては薬剤の刺激性が強いため、爪周囲の皮膚を専用のマスキング材で保護します。
4
「リネイルゲル®︎10%」を爪へ塗布
爪表面に薬剤を塗布し、被覆材で密閉し、帰宅します。
5
爪矯正具の装着の維持
24時間は、爪矯正具が外れないように注意し、入浴される際は、できるだけ患部を濡らさないようビニール袋で覆い、シャワー浴とするなどの対応をお願いします。
6
洗浄
塗布後24時間で薬剤を流し落とします。矯正器具が取れないように注意してマスキング材と被覆材を剥がします。爪甲表面はだけでなく爪周囲にも薬剤が残らないように、水やお湯で十分に洗い流してください。
7
矯正具の継続装着
その後も矯正治療中は爪に大きな負荷がかかるスポ―ツ(水泳、サッカーなど)は出来る限り控えてください。矯正具が外れる可能性があります。2週間~3ヶ月の連続装着を想定しています。矯正具の付け外しの頻度は最小限とした方が矯正効果は高いです。